「時空を超えた贈り物」エピソード
こころバンクに寄せられた、時空を超えた体験エピソードの一部をご紹介します。エピソードは随時アップしていきます!!
これまで115名の方が
応募されました。
New 会社員 50代男性

『輪郭』
「これ見て。こんなのあったよ。」
先日、古希を過ぎて久しい母からそう言われ、一枚の古びた長細いカードを手渡されました。何だろうと訝りつつ手
に取って見ると、それは私が小学2年生の時に図書室で本を借りる際に使っていた「かしだしカード」でした。かろう
じて「懐かしい」という感情を絞り出せるくらいの古い(40年以上前)の代物です。
2ねん 2くみ なまえ 〇〇〇〇
1『ファクシミリさんととら』
2『キリン』
3『おしゃべりしろいるか』
4『あしかのポチくん』
5『まぼろしどうぶつデスモスチルス』
6『きょうりゅう』
7『のうさぎにげろ』…
じわじわと何か暖かいもので脳が潤ってくる感覚に見舞われながら、「かしだしカード」に書かれた本の履歴を目で
追うと、あることに気づきました。見事なまでに全て動物関連の本だったのです。
あまりのはっきりとした嗜好に我ながら頬が緩み、同時に、自分のルーツや大事にしてきたものを再確認することが
できました。長く大人をやっているとボヤけてきがちな自分の輪郭を、少しだけクリアに戻せた気がしました。
そしてアルバムや絵の賞状と一緒にこんな紙切れをずっと取っておいた親。こんな自分を面白がり、愛おしく見守って
くれていたのだろうか、と感じ入ることができました。ただの古びた「かしだしカード」が、時空を超えて熟成され
「こころの証明書」に変わっていました。
New 会社員 60代男性

『彗星』
彗星(ほうき星)です。出現する予測日時は公式に発表されるのですが、再び太陽系に戻ってくる時間はとて
つもなく長い時間で、これを観れる事による感動は何故か生命力を強く感じさせ、自分にとっても色々な事を
駆り立たせる何かを湧き起こしてくれているような体験をします。
最近では2024年11月初旬のアトラス彗星でしたがあいにく曇り空の連続で残念でした。同じように、ながれ星
(流星)も同じような感動の体験をします。
New 会社員 60代男性

私は定年という区切りの歳となっていますが、長男に送ろう(譲ろう)と以前から考えていたものが2つあり、
1つは私の父から譲り受けたパイロットのシャーペンとボールペン、もう1つが、私が大学の時にアルバイトで
やっと購入した、リーガルの革靴です。
特にこの革靴は今でも十分に綺麗で、私にとっても、幸運の靴というか、ここぞという幸運の時にしか履かな
かった靴です。
(雨の日は絶対にはかなかったのですが)
これは自己自慢の話となりますが、この自分が長男に送ろうと思っている事が何か幸せな感じがしています。
New 会社員 40代女性

先日、年末に大掃除をしていたら、夫との昔のプリクラ写真がでてきました。「若い!」、「やせてる!」といった話で異常な
ほど盛り上がりました。
何気ない日常に突然、過去の思い出の品物がでてきて「楽しい会話」ができたことに素直に嬉しいと感じました。
会社員 60代男性

60歳という一区切りの歳となり、営業から離れて他部署に異動した過程で、数年、数十年前の営業の時の客先より
いまだに商品についての技術的な問い合わせや、私に対する気遣いなど電話を頂く事があります。
営業をやっていたおかげで、かけがえのないつながりを実感する感動と同時に、その方とは数年、数十年前の方です
が、まるで昨日会っていたかのように、時を超えた何か今まで思わなかったうれしい感動がありました。
会社員 40代女性

結婚20年近く経ち、お互いに遠慮がなくなってきたころ、片付けをしていたらきれいな封筒が出てきました。私は見覚えがなか
ったので、中を確認すると自分の母が私の夫に宛てた手紙でした。
中には「娘を宜しくお願いします」ではなく、「娘を大切にしてください」と書いてあり、親の子を思う気持ちに
思いに改めて気がつきました。お手紙の花柄は母の好みがよく現れていて、母の字もしみじみと幸せな気持ちになりました。
会社員 50代女性

今年に入って過去の年賀状や封書を整理していた際、10年前に定年退職した際にいただいた元上司からのはがきを見つけました。
20代で入社した際の直属の上司で親子ほど年が離れておりましたが、優しく指導していただきました。
頂いたたはがきを読み返してみると入社した頃「今時の若い子は・・」と思っていたけれど、20年後にその子が全く同じ事を飲み
会で言っていて可笑しくなったこと、はじめはどうなることかと思ったけれど、立派に成長して自分を助けてくれるようになり感
謝していること、働き過ぎなので体に気をつけるようにと綴ってありました。
頂いたた当初は、自分の若いときのことや褒め言葉などの記載に面はゆく感じていましたが、自分が50代になり部下が多くなって
から読み返してみると長年暖かく見守ってくれた上司の暖かさを思い出し、自らを振り返るよいきっかけとなりました。
最近は、若い社員との年賀状のやりとりもなくなり、余計な気を遣ってもらわなくて済むことはよいことと思う反面、心のつなが
りが少なくなったように感じます。定年退職時に手書きではがきの隅から隅まで文字を綴ってくれた上司のように自分も同僚や後
輩に感謝の気持ちを伝える機会をもちたいと感じました。
元百貨店勤務 50代男性

施設に入居した高齢の母の押し入れを整理してたら、おせんべいの缶に入った埃まみれのカセット―テープ数十本が無造作に入っていた。
中古家電屋でようやく見つけたカセットデッキで再生し聞いてみると、そこには31年前に亡くなった父が残した、家族で行ったクリスマ
スや姉や私の誕生会、日常の夕食時の様子を録音したものだった。もう二度と聞くことはない父の声、自分の娘の声とそっくりな幼い声
変わりする前の自分の声。母の天真爛漫な様子、姉と私のかくし芸の様子が残されていた。
『わしは死んでもお前のところには夢には出ない』と死期が近づいても強がっていた父。 30数年経って、突然舞い降りてきた。父のこと
は仏前の写真でしか知らない私の妻、娘に聞かせた。妻が『こんな優しそうなお父さんだったんだね』としんみり呟き、反抗期の娘も物思
いにふけていた様子を見て、なんか父に有難う!といいたくなった。
◆◆◆ 10代のエピソード ◆◆◆

山梨県立青洲高等学校
山梨県立青洲高等学校 商業科2年生の皆さまに
「時空を超えた贈り物」のエピソードを
投稿してもらいました。

先日、飼っている愛犬と外で遊んでいたとき、ふと嗅いだことのある匂いがして記憶が思い起こされました。
昔飼っていた、今は亡き愛犬は外で遊ぶのが大好きで、毎日のように体を泥だらけにして帰ってきては家中に泥の足跡を作っていました。私たち家族はその姿に
呆れ笑いを浮かべつつも、楽しそうに、嬉しそうに走り回るその姿に幸せを感じていました。
それから10年程経った先日、新しく迎え入れた愛犬と家の庭で遊んでいると、ふと泥臭いような匂いが鼻を通りました。
匂いは記憶している。これが愛なんだ。
ペンネーム:あいごころ

通っていた保育園の、当時担任だった先生に再会した際、10年以上も前のことにもかかわらず、こんなことがあったんだよ、と保育園時代の思い出話を沢山してくれました。私自身の記憶にもないことをこんなにも覚えていてくれたんだと、とても嬉しい気持ちになりました。
思い出話をされるのは照れ臭いけれど、懐かしく、温かい気持ちになれるので、もし自分に子供ができて、その子が大人になったら、小さいときの話をきかせてあげたいな、と思いました。
ペンネーム:ユウ

私の通っていた小学校の敷地の中に、桜の木が何本も植えられています。その中で、1番大きな桜の木が、学校前の歩道橋の隣に植えられていて、私はそれが大好きでした。1番古い記憶が、3〜4歳の時に
おばあちゃんと散歩に行った時にその桜を見た記憶で、どの桜を見た時よりも鮮明に覚えていたのです。
それから10年ほど経って、中学校に上がった私が再びその桜を同じ角度から見た時、あんなに大きく見えた桜が、少しだけ小さくなったように見えました。そして私がこの木のように大きく、成長することができて
いるんだ!ということを教えてもらえたような気がします。成長を実感し続け、自分に自信が持てるようにこれからも頑張りたいです。
ペンネーム:はんぺん

友達のお姉さんの話です。その人には小さい頃に友達だった子がいました。お姉さんをIさん、その子をAちゃんとします。
Aちゃんとはクラスが同じで毎日公園で遊ぶ仲だったそうですが、小3の時にクラスが変わってしまい、新しい友達が出来たりしてあまり話さなくなってしまったそうです。そのまま小学校の間は同じクラスにならずに
終わってしまい、Iさんは親の都合で引っ越さなくてはならなくなりました。IさんはAちゃんと遊んでいた公園のあるその思い出の地に、大人になったら絶対に戻ってこようと誓い、自分への手紙を埋めました。
そしてIさんが25歳になった時、ついに思い出の土地に帰ることが出来たそうで、公園も引っ越す前のまま残されていたそうです。引っ越す前に埋めた手紙にはどんなことを書いたのか、考えながら掘ってみると、そこには自分の
手紙ともう1つ見覚えのない手紙が入っていたそうです。その見覚えのない手紙を開いてみると、小学校3年生からほとんど話してこなかったAちゃんから、「Iさんへ」と書かれたものでした。Iさんは懐かしいなと思いながら
その手紙を読みました。読んだIさんは衝撃を受けてその場で泣いてしまったそうです。なにが書いてあったのか聞くと、小学校3年生のとき違うクラスになっても遊びたかったということや、Iさんが引っ越す時にAちゃんが1番
悲しんでいたということなど、Iさんが知らなったことが色々と書いてあったそうです。
IさんとAちゃんはまだ会えず連絡も取れてないそうです。私はIさんとAさんがいつか会えることを願ってます。
ペンネーム:ななし

小学4年生の時、2分の1成人式をしました。その時に母から初めてちゃんとした手紙をもらいました。
よく母と喧嘩をするため、話さない日も時々ありました。その手紙には私の小さい頃の様子や母を困らせた話、私と喧嘩をした時の気持ちなどが書かれていました。私の成長を見守る母の本心が伝わり、感動したのを
覚えています。
今でも喧嘩をすると、その手紙を見返して、少し言いすぎたなと謝りにいくこともあります。時間が経った今でもその手紙に支えられて生きています。次に行われる成人式では私から母に手紙を贈りたいです。
ペンネーム:みつふぃー

2年前くらいに姉の成人式があったのですが、その時に着た振袖が母方の家系で受け継がれてきたもので、成人式が終わったあとに母のその振袖を着ている写真が出てきてなんだか感慨深いなぁと改めて感じました。
時を超えてまた着られる機会が来るということは、それまでの間とても大切にされてきたということだと思います。一目見た時は母の年代でも着たものとは到底思えないほど綺麗で驚きました。
ペンネーム:サカナ
生まれた時から家で飼っていた犬がいたのですが、自分は犬が怖くて毎回大泣きしたり避けたりして酷い態度ばかりとっていました。4歳の頃、色々な事情で一緒に住めなくなってしまい、お父さんの仕事場の同僚に預けることにしました。
しかし、12歳の頃、4歳から一度も会っていなかった犬に会いに行きました。12歳になった頃には犬が怖いという感情もなくなり、触れることもできました。8年ぶりに会ったその犬の変わらない姿を見て、当時の自分の態度にとても罪悪感が湧いてきました。なのに犬は帰り際に車に乗る私の姿を見て鳴いてくれたのです。その姿を見て私は、車の中で大号泣してしまいました。
こんな私のために泣いてくれた、あの時の目が忘れられません…。
ペンネーム:A
引っ越すために家族で片付けをしていたら、私や姉が幼い頃や保育園の時に書いた両親の似顔絵や両親宛の手紙がいくつか見つかりました。
まだ幼かったから似顔絵も原型すらあまりなかったり、字も読めるか読めないかの字だったりでみんなで笑い合うことができました。両親がお互いに大事に取っておいてくれて私も姉も嬉しい気持ちになりました。
手紙と一緒にたくさんの昔の写真とかも出てきて家族で昔を思い出しながら懐かしの会話をしたりで暖かい気持ちになりました。改めて、家族の特別さを感じることができました。
ペンネーム:ミニジャム
二分の一成人式でのことでした。みんなで将来の自分はどのようになっているのか劇をしました。その時にお母さんから手紙を受け取りました。手紙の内容は「自分の好きな事をやりなさい」たったそれだけでした。その時はより一層お母さんのやっていた仕事をしたいと思っていましたが、今となっては自分の好きなことをみつけ、仕事にしたいと思っています。
あの時のたった一つの言葉で部活や勉強を頑張れています。思い出すと今励まされている気がします。
ペンネーム:とっくん
小学校6年生の頃の話です。僕は、白いジャンガリアンハムスターを飼っていました。その子は、「シロエ」と名付け、とても綺麗な白色の子で所々に黒い模様が入っていました。ハムスターの寿命は短く、2年で亡くなってしまいました。その時は失った悲しみで、新しいハムスターを飼うのを躊躇していましたが、中学の頃2,3年振りにハムスターを飼うことを決意しました。そこで偶然見つけたのが、黒いハムスターでした。以前飼っていたシロエと模様の位置が同じで色を反転したようなシロエそっくりな子がいたのです。すぐにシロエだと思いました。すぐに家族でお迎えし、「クロエ」と名付けました。時空を超え、また会えた家族にとても感動しました。
もう亡くなってしまいましたが、とても良い時間を過ごしました。今でも愛しています。
ペンネーム:kai
保育園の卒園式後にみんなでタイムカプセルを埋めました。それを中学校の卒業式の後にみんなで掘りに行った時、好きなお友達を書く欄に今もまだ仲良くしてる友達の名前がお互いに書いてありました。これからもずっと仲良く大人になっていけるといいなと思います。
ペンネーム:mame
小学生の頃にお母さんの職場である介護施設に手伝いに行った事がありました。そこで、私と誕生日が近かったおばあちゃんと仲良くなりました。しかし、中学生になった事を機に手伝いに行く事は無くなり、私も自然と忘れてしまっていました。
ある日、高校入試前にお母さんからお手紙をもらい、宛名に当時のおばあさんの名前があり、最初、私は誰からなのか思い出せないでいました。手紙の内容を読んでいくうちに、当時のことを思い出し、高校入試を控えた私への応援の言葉と、お世話になっているお母さんへの贈り物が同封されていて、私はとても懐かしさと久しぶりに会いたい気持ちになりました。
ペンネーム:オコジョ
私のベットの枕元にはいつもたくさんの人形がある。ただ一つだけ少しくたびれた子犬の人形があった。母に買ってもらった記憶はなく、もう汚れているので捨てようと思い、母にこの人形は誰が買ったのかを聞いた。すると人形を買ったのは私の姉だった。
私がまだ物心着く前、誕生日に姉がくれた最初のプレゼントだったことを知り、どこか心が暖かくなった。
ペンネーム:真実はいつも二つ!
私は小学生の時に地元のサッカークラブで夜遅くまで練習をしていました。毎日が楽しくて休みの日にもサッカーの試合を観に行くほどサッカーがとても好きでした。しかし、新型コロナウイルスの影響で小学校を卒業する頃には練習も行えず、いつしかサッカーに興味を持たなくなってしまいました。
しかし中学校3年生の時、部活動も引退し、受験勉強に追われていた為、何かストレス発散できるものはないか探していると、サッカークラブにいた時に使用していたサッカーボールを見つけました。懐かしく感じて久しぶりに近くの公園にサッカーをしに行きました。公園で初めてボールを蹴った瞬間、サッカークラブにいた時の記憶が蘇り、懐かしいという気持ちとサッカーから離れていた罪悪感を感じ、気づいた時には小学生に戻ったような気分になっていました。
当時はサッカーボールを残して意味があるのかと思っていたけれど、時空を越えてこんな素敵なエピソードができるとは思いませんでした。そのサッカーボールは今でも玄関に飾ってあります。
ペンネーム:Mochi
部屋の片付けをしていたら小学校卒業の時の母からの手紙を見つけました。当時は照れくさくてちゃんと読むこともなく閉まってしまい、ちょっと埃もかぶっていました。もうすぐ成人という歳になって改めて読んでみると、母からの愛、想いが手紙から伝わってきて自然と涙が溢れてしまいました。
母に振り回されて自分の意思なく過ごしてきた時期もありましたが、今となってはその時も今の私を作る大切な思い出です。嫌だと思う時ももちろんありました。でも小さい頃から色々な経験をさせてくれて成長させてくれた母には感謝しかありません。
普段は照れくさくて感謝もちゃんと伝えられていないので、私から母に手紙を書いてみようと思いました。
ペンネーム:心
先日、祖母の家に行った時に食器棚に昔私がプレゼントしたバラの花束の折り紙を大切に飾ってくれていたのを見ました。今でも大切に飾ってくれているのを見て嬉しい気持ちになりました。
ペンネーム:ゆーしー
幼稚園の時、ひっそり好きだった男の子がいました。中学に上がって連絡先も持っていなくて、ふと部屋の片付けをしていると幼稚園の時の卒園アルバムが出てきました。思い切ってSNSをフォローしてみたらフォローが返って来て大喜びしたことを覚えています。
特にその後は何も無かったですが、なんだか勝手に幼稚園の時の自分の想いが通じた気がした瞬間でした。
ペンネーム:みずはや